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最後の恋は甘めの味で

第41章 あれ?言ってなかったっけ?

相手が息子であろうと暁さんにあんな顔させるのはムカつくので


俺は少し暁さんを隠すように立ち、相模祐也に手を差し出した。


「初めまして。お母さんの”恋人”やらせてもらってます。上條真也と申します」


俺は相模祐也を試すために恋人を強調した。


もしこれで俺の手を強く握り返せば本日の相模祐也の目的は


”母親をたぶらかした男に制裁を”


ということになる。


そうなれば俺の出方も変わるわけで。


しかし


「いえ、こちらこそ。母がいつもお世話になっております」


握り返されたその手は驚くほどやんわりしていて、優しかった。


その上優しく微笑まれ、一気に気が抜けた。



俺の考え過ぎか?



気を張っているのが分かったのか相模祐也が口を開く。


「そんなに緊張、なさらないで下さいね。母に何も聞いてなかったんでしょう?初めてお会いした時、すごく驚かれていたので」


俺は首を一回振ることでそれに答えた。

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