
最後の恋は甘めの味で
第41章 あれ?言ってなかったっけ?
キッチンに並んで作業を楽しそうにしている2人の後ろ姿のなんと微笑ましいことか。
そんな”家族愛”を見せ付けられている俺は絶賛嫉妬中。
今すぐ間に入って邪魔をしたい気持ちが出てくる。
しかし、つい先程冷たい空気を当ててくれた祐也くんがいることにより俺は身動きが取れずにいる。
情けないと溜め息を漏らす。
近くの椅子に座り羨ましそうに見ている俺の姿はさぞ滑稽なんだろう。
それにしても祐也くんの背中。
広くてしっかり筋肉もついてて惚れ惚れする。
俺より年下ということはまだ20前半。
若いっていいと、20もまだ半ばの癖に思ってみたりする。
20前半かぁ.....
いや、俺もっとかっこよかったけどな?
俳優相手に何意地を張ってんのか。
はぁと溜息漏らし、頭を項垂れる。
ちらりと暁さんを見れば嬉しそうに祐也くんに話し掛けている。
そんな暁さんはもう三十路と言っていたっけ。
あれで三十路だもんなぁ.....
可愛いよなぁ......
って、あれ.....?
俺は再度頭を上げ、2人の背を交互に見た。
