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最後の恋は甘めの味で

第41章 あれ?言ってなかったっけ?

祐也くんはキッチンに体を預け俺の方を向いた。


じーっと見るもんだから俺は気まずくなり視線を逸らす。


「.......本当に母は貴方に何も伝えてないんですね」


そんな声が聞こえ、顔を戻せばお湯が沸いたようでカップに注いでいる姿を確認できた。



何もって......俳優以外の何があるって言うんだ....

もしかして年齢に関係することか?



悩んでいるとコトリと机にカップを置く音。


湯気とともに香る匂いは俺の好きなもので。


向かいに座るよう促されたのでその通り座る。


「俺、養子なんですよ。2人の」


コーヒーを飲む手前の衝撃的発言に手元が狂い、危うくコーヒーを手に被るとこだった。


祐也くんを見るもその顔は穏やかだった。


「俺が14で母は多分23の時かな」


まるで普通の会話のように話す祐也くん。


きっとそれはそのことに対し誇りを持っているからで。


誇りを持つほどの愛を祐也くんは貰いながら育ったんだ。

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