
最後の恋は甘めの味で
第41章 あれ?言ってなかったっけ?
「それにしても母には本当に呆れます。そんな重要なことまで話してなかったなんて」
綺麗な顔をここまで歪ませるとは。
ここまでくると暁さんを尊敬する。
「本当ごめんなさい....」
「いいよ。気にしないで。どうせ言ったつもりでいるだけだろうし。悪気もないのは分かってるから」
そこまで言えば祐也くんが驚いたような表情を見せた。
祐也くんが今日見せた様々な表情をブロマイドにしたら何部売れるだろう....
そんなことを思う俺に呆れる。
「そっか.....上條さんはそんなことまで汲み取ってくれてるんですね......これは母がベタ惚れな理由分かる気がします」
祐也くんは嬉しそうに呟くけどすごく聞き捨てならない事を言ったね?
暁さんが、俺に、ベタ惚れだって?
詳しく聞こうじゃないか!
ガバッと身を乗り出し、聞こうとしたタイミングで呼び出し鈴が鳴る。
その瞬間、祐也くんはいやそーな顔を見せた。
