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最後の恋は甘めの味で

第7章 事実

「とことんクズな男よね。真也って」


その手はゆっくりと俺のおでこに移動し


ごすっ


「〜〜〜〜!!」


でこぴんの威力と音とは思えない。


あまりの痛さにおでこを抑え悶絶する俺。


そんなことはお構いなしで涼は飲み終わった(俺の)カシスオレンジの縁を指でなぞった。


「彼女はあなたの言葉を信じてそこまで熱くなったのよ?」

「嘘じゃねぇ」

「私とあなたの間柄であなたがそんなに悲愴ぶらなきゃいけない意味が分からない」

「ちょっとした演技だろ」

「.........呆れた。反省のはの字もないのね。本当、あなたなんかに目をつけられた彼女が可哀想で仕方ないわ」


”可哀想”


その言葉を暁さん宛に何度も漏らす涼。

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