男子寮
第1章 水樹×楓哉
「起きろよ」
目を開けると、目の前にヤンキーの顔がドアップで写っていた。
「あ~。すいません」
極力関わりたくないので、とりあえず謝って逃げようとしたときだった。
「迷子?」
「はぁ…。」
俺は曖昧に答えた。
「寮番は?」
寮番というのは、寮の番号だ。てか、なんで寮生ってわかったんだろう?
「115番。」
あまり関わりたくないので、質問の答えだけを伝えた。
すると…まさかの返事がきた。
「一緒じゃん」
そう言ってニッコリと笑う君の顔に、少しだけ…。
ほんの少しだけ…。
ドキッとしてしまった。