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秘密の時間は私のもの

第9章 立川颯太 前編

正直、前後と言っても会話なんてほぼない。


僕が苦手意識をしてるからなんだけど。


ここは理由をつけて前を向いてしまおう。



「あー.....僕、次の授業の」

「暑いな」

「え、あ、う、ん...」



会話、続かせるんですか...そうですか....



仕方なく戻そうとしていた体を元に戻す。



「だからか?」

「へ?」

「なんか.....疲れた顔してる」

「............へ、え、あ、え、そ、そうかな?」

「そうだよ」



上野が人の心配をしている光景があまりに異様で、思考が停止していた。


でも、疲れた顔って.....


横の窓を見て確認するも自分の目にはそうは見えない。


首を傾げると上野から次いでの言葉が出てきた。



「今日ってか最近ずっとな気がするけど」



意外だ。


あの上野が人を見ててこうやって心配してるなんて。

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