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秘密の時間は私のもの

第10章 立川颯太 後編

席替えで僕の後ろの席を上野が取る度


何らかの理由をつけてはそこから離れたし


上野が話に入ってくれば僕は抜けるようにしていた。


不自然極まりない僕の様子にもしかしたら上野は嫌な気分になったかもしれない。


僕を......嫌ったかもしれない。



あぁ、そうならば少し悲しいな



でも、どうせ叶わない恋だった。


持っていても仕方のない気持ち。


嫌われたと思えば捨てれるかもしれない。


思ったけど、そう簡単にはいかなくて。


気付けば受験のシーズン。


上野が行く高校を気にしている自分がいた。



気にしてどうする

一緒になってどうする



そう言い聞かせ、調べようとする自分を止めた。


そのままあっという間に時は流れ


上野への気持ちは消えぬまま、僕は中学時代と上野に別れを告げたのだった。



























高校を入学して、すぐに再会を果たすとは知らぬまま















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