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秘密の時間は私のもの

第10章 立川颯太 後編

でも、なんて言えばいい。


あんな事実言えないし。


だからと言ってここで逃げ出したら、もう一生上野とは関われない気がして。



......なんて、こんな状態では関われないと思ったから

上野を避け始めたんだろう?

こんな気持ちをまだ持ってるなんて矛盾してる



自虐的な笑みを浮かべた時、上野がしゃがみ僕と視線を合わせた。


その近さに、不覚にも胸が鳴った。



「う、うえ」

「俺ら、友達じゃなかったのか?それとも避けるようななんか、俺、した?」



こてんと首を傾げ問う上野。


身長185はあるであろう男のこてんがこんなに可愛いとは。



じゃ、なくて....

あんな、態度を取っていたのにまだ友達だと思っていてくれたんだ

その上、僕が避けていたことを自分に非があるからと考えるだなんて.....

優しすぎるよ。上野



本当に上野の言葉は僕を救い過ぎだと思う。


今まで抱えていたもの全てが消えていくような感覚。

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