テキストサイズ

秘密の時間は私のもの

第13章 小さな変化

言葉にしてはいないものの


“遅漏不憫”


そんな意図がはっきりと汲み取れ、ムカついたがそんなことより


颯太の今の言葉、どこか悲しそうで。


確かにイったのを確認出来ない程考えに没頭していたのは悪かったが


そんなに悲しみに暮れることか?


恋人ならまだしも俺らは“セフレ”だろ。



「.....颯太、イき続けて辛かったなら謝るけど、お前の身体はそうでもなさそうだぞ?」



そう言って、摘もうとした胸の先端。


ずるりという音と共に颯太が離れたことによってそれは阻まれた。



「.......颯太?」



俺の言葉に反応は示さず、そのまま衣類を着始める颯太。



んん?

え?どういうこと?



「なぁ、颯」

「僕との行為が疎かになる程、何考えてたのさ」



颯太にしては珍しく強い口調で伸ばした手が止まる。


一瞬の間の後、颯太がハッとしたのが分かった。



「ごめん....今日はもう、疲れたから、帰る、ね....じゃあ」



そう言い、颯太は振り返ることもせず階段を降りていったのだった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ