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秘密の時間は私のもの

第13章 小さな変化

滝波の瞳が大きく揺れたのが分かった。



「なぜ?」

「なぜ?まあ、俺らも事情言わねーのもあれだけど、万に一つでも俺らは恋人じゃねぇからだよ」

「......だけど、私の目からは」

「あと、お前、都合良すぎんだよ」



相手が女子ということも忘れ、睨みを効かせ、強い口調を放つ。


初めて滝波が狼狽えたのを見た気がした。



「これで俺らが終わる事になったらお前も困るもんな?折角見つけたいい“題材”だもんな」



自分でも性格が悪い事言ってる自覚はあった。


でも、なぜか無性に腹が立っていて。


自分でもどうしようもなくて滝波に当たった。


流石に泣くかと構えたが滝波はその素振りも見せずただ淡々と言葉を吐いた。



「そうですね。言う通りです
でも、私は.....」








「立川くんに接していて少なくともそれだけではない目的もできましたよ」








その目的は何とは言わず


滝波は俺を睨みつけ、その場から姿を消した。


その際、落ちた紙。


目に入ったのは穏やかな表情をして俺を見る颯太の絵だった。

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