テキストサイズ

秘密の時間は私のもの

第14章 「久しぶり」

そこまで考えハッとする。



なんで僕、亞のことばっか考えてんだよ

隣に上野がいるのに....

これじゃ、まるで、本当に.......




だぁあああああああ


だーかーら!違うって!!この流れ2度m



「.....ひさし、ぶりだな」



自分を戒めてるところのいきなりの声にビクッと肩が揺れる。


そうだね、とかそんな言葉でいいのに


驚いている脳は正常に動いてくれなくて、口からは



「はい!!」



そんなすごく礼儀正しい言葉が放たれた。



「.........」



上野は何も言わなかったけど確実に笑ってる。


なぜって、隣から肩を揺らしているのが伝わってくるから。


僕の顔に熱が集まってくるのが分かる。


おそらく今の僕の顔は湯気が出るほど真っ赤なのだろう。



「......くっ.....ふ...」



抑えられていない笑いに何も怖くないであろう睨みを利かす。


それを見て上野は堪え切れなくなったのか。


ぶはっと空気が抜けたかと思ったら


それはそれは豪快に声を出しながら笑い始めたのだった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ