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秘密の時間は私のもの

第23章 止められない止まらない

トドメの滝波の発言。


滝波は俺の過去も颯太の過去も知らない筈だから


詰まるところ、滝波のあの発言は


自らの妄想、及び想像から来た出任せなのだろう。


それがドンピシャリ、颯太の過去とリンクし


颯太の絶対なりたくない奴を、颯太に思い浮かばせた。



過去だろうが何だろうが、言っても言わなくても

妄想想像で現実とリンクさせちまうんだもんな

本当、侮れねぇわ



その才能(?)に助かったのは事実。


お礼を言ってもいいのだが....


ちらりと向けるは、今いる所の端も端。


体操座りで俺らに背を向け、壁に向かいごめんなさいを連呼している颯太。


兎にも角にもあれをどうにかしなくては。


あのまま颯太を放置すれば、最悪病む。


それを避けるため、滝波に視線を移し、目で訴える。



アレ、どうにかしろ!



「.......」



毎度の如く返ってくるは冷たい視線。


そして、その視線が語るは“お前がどうにかしろ”なんだろうが。


その気持ちは大いにある。


今ここで颯太に優しい声を掛け寄り添ってあげれば


颯太の俺に対する株は急上昇。


俺に対する気持ちだって、何かしら芽生えるはず。

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