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秘密の時間は私のもの

第23章 止められない止まらない

見ろよ。


颯太も開いた口、閉じてねぇよ。


お陰で不気味極まりない謝罪連呼は止まったが。



「そんな美味しいと思う展開を、私自らが止めるなんて有り得ないと思いません?」

「え、あ」

「そうです。有り得ません」



自分で聞いといて颯太の答えは聞かないスタイル。


そんなこと、とうの昔に分かっているのだから


颯太も真面目に答えようとしなくていいのに。



「それでも私は止めたんです
藤塚氏が可哀想だから?断じて違います
もういいと思ったから?それも絶対違います
見れるものなら永遠と見てましたよ
でも、嫌だったんです....受けが違う誰かなら受け入れられたのかもしれません
でも、颯太くんだったから...
颯太くんのあんな姿見たくないから止めたんです
.....しかしながら、結果、あんな風な止め方をしてしまいました
あれはいけなかったと自重しています
本当に申し訳ございませんでした」



深々と頭を下げる滝波に、うるうると瞳を揺らす颯太。



「僕、僕、もごめ、ごめんなさいぃいいいあぁあああ」



そのまま泣き、滝波に抱き着く。


そんな颯太を滝波はお母さんが如く。


穏やかな表情で抱き締め返した。

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