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秘密の時間は私のもの

第4章 滝波葉結という人間

滝波を見れば、ばちりと視線が会いニヤリと笑われた。


ま、まさかこいつ......機密組織のスパイ.....!


俺のアホな思考はさて置き、滝波が俺に向けた携帯の画面には


またもや颯太の名前が見えて、もやっと内で黒いものが沸き起こる。



「立川くんは、藤塚被告と違っていい子ですよねー」



その文面。



『亞が葉結ちゃんのこと調べるって変なこと言い出してさ。まーた馬鹿なことすると思うけど、許してやってね』



ウラギリモノメ。


こんなくらいなら颯太に言わなきゃ良かった。


敵を欺くにはまずは味方から、とただでは言わないらしい。


颯太が滝波のことを"葉結ちゃん"って呼ぶの何気傷付いてるのに


文字にして目に写るとこれほどまでに心抉られるんだな。


心臓が痛いとです.....


はぁと物憂げに息を吐けば、女々しい男の完成だ。


そんな俺を見て、滝波は呆れたのか、気の毒と思ったのか


突然自分の情報を口に出し始めた。

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