テキストサイズ

秘密の時間は私のもの

第6章 あの時、この時の私

おかしいと思い始めたのは


彼らの行為が止まっていることに気付いてから。


見付かったと自覚したのは藤塚亞と目が合ってからだった。


やばい、だとか


どうしよう、だとか


焦る前に私が願ったのは



“行為の続行”だった。



だって、距離的に絶妙だったし.....

それなのに元となる行為はしてないんだもん


そりゃ、願うよ



「あ、お気になさらず。続きをどうぞ」



その願いは言葉に出、藤塚亞は行動に出た


........かと思いきや、多少の羞恥があるからなのか


混乱しているからなのか、見事なノリツッコミをして下さった。



「あの......このこと、秘密にして欲しいんです.....」



遠慮気味に言う立川颯太。



いやいや...

言わんよ



このことを言ったらどうなるかなんて目に見えてる。


それに、私もそこまで鬼畜じゃないし、と思いながらぼそりと呟けば


藤塚亞はホッとした表情をした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ