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秘密の時間は私のもの

第2章 .........は?

その手紙、見るからに”ラブレター”。



”渡してって言われて”



つまり本人はどちらでもない、ということか。


何故女子はこんなにめんどいのか。


こんなものを渡すために人の手を患わすなんて。


自分で渡す......いや、むしろ直接言ってくれた方が何かと早く済んでいいのに。


ということで本人探してもう終わらせてしまおうと


これを書いた女の名前も顔も知らないくせに教室をキョロキョロ。


自分が書いたラブレター。


本人に渡すところを見てればもじもじしているはず、と思ったのだがそれらしき人がまるでいない。



「.......藤塚くん....?」



ラブレターも受け取らずキョロキョロする俺を2人が不思議そうに見詰めてきた。


その2人を見てハッとする。


そうじゃん。


伝えてもらえばいいんじゃん。


最低な心は逸早く気付かれ、ぐいっと手紙を押し渡される。



「ちゃんと読んで、ちゃんと自分で面と向かって答えてあげてね。じゃ」



そのままキャッキャしながら離れる女達の背中にチッと舌打ち。

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