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ディーン×サム

第1章 Forbidden Fruit

「僕……」
「お前は失神したんだよ、サミー。女の子みたいにな……」

兄貴は優しく僕のおでこにキスした。

「僕、死んで天国に行ったのかと思った」
「ああ、天国にイッたさ。俺たち二人ともな」

兄貴の言葉に、僕は顔から火が出そうになった。かなりの痴態を晒してしまったんだ。

「僕、ヘンな声出してた」
「可愛かったぞ」
「やめてよ、恥ずかしいから」
「恥ずかしいもんか。俺は嬉しかったよ。お前が、そんなに感じてくれて」

真顔で言われて、僕はちょっとドギマギした。

「……また、天国に連れて行ってくれる?怖くなったら……」
「もちろんだとも、サミー」

兄貴は僕の耳もとで、思い切りセクシーなテノールで囁いた。

「何度でも行こう。俺たち二人だけの天国へ──」

END

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