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黒の青空

第3章 1

我に返ったときはもう遅かった

とても帰れるような格好ではない

謝らなきゃ

謝って済むとは思ってないけど、謝らなきゃ


「…怪我してない?」


なのに俺は理緒に怪我がないかを先に聞いた


「大丈夫」


それだけ理緒は答えて、恐る恐る起き上がった

目を合わすことができなかった

どうしよう

服を貸す?

そんなことして理緒が親に事情を聞かれたりしたら?

色んな誤魔化し方はあったとしても理緒を困らせるだけやん

頭で色々考えていた


「本気やと思わんかった」


笑い混じりの声の本人とやっと目を合わせれたのはその時だった


「服を裂くことないやん」
「…え…」


そして彼女はもう一度言った

その言葉がことの始まり

全く予想していなかったことの始まり

















「…拉致ればいいのに」

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