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黒の青空

第6章 4

_______…


「あー、川上おはよ」
「おーぅ」


朝、登校を無事完了させた生徒で賑わう靴箱

内谷は靴を履き替え終わったとこだった


「教室まで一緒に行こ」
「ちょっと待ってー」


俺は靴を履き替えながら返事をした


「行こか」


内谷と並んで歩き出したときだった


『呑気に他の女と絡むのか』


背後から声が聞こえた


「⁈」


後ろを振り返る

そこには声の主はいなかった

生徒達で賑わう廊下

朝のいつもの光景


「川上?どしたん?」
「…何もない…気のせいや」
「…ふーん」


内谷は不思議そうな顔をして俺と同じ方向を見た


「誰かおった?」
「…いや…」
「ならはよ行こーやー」
「おう…」


あの声…

俺の声…

夢の中の俺…


「内谷」
「なに?」
「俺のほっぺつねって」


内谷は遠慮もなく、思いっきりつねってくれた

そのへんは疑問をもつことなく行動してくれる

言ったのは俺やけど

…内谷























「…痛すぎ…」


夢ではないことが十分に分かった

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