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黒の青空

第6章 4

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デジタル時計を見ていつも日付けに気づく


「今日金曜日か」


明日明後日と洋が1日中家にいる

唯一退屈しない2日間


「洋が遊びに行くなら別やけどー」


にゃぁ


「きたーっ」


立ち膝で部屋のドアを開けてやる

仔猫が入ってくる


「待ってたよーっっ」


一匹ずつ頭をぐりぐり撫でてやる

迷惑そうに顔を歪める子と笑ってるような顔をする子

猫でも表情とかあるし感じ方ちゃうな


にゃあー


「あれ、親猫も一緒ですか?いつもお世話になってますー」


親猫のみーちゃん

みーちゃんはうちにすり寄ってきた

そんなみーちゃんを膝の上に乗せてやる

すぐ丸くなって喉をゴロゴロ鳴らし出した

膝がこしょばい


「何みーちゃん、今日甘えたさん?」


指先で頭を撫でる


「この子飼い主そっくり」


自分で言ってじわじわきた

みーちゃんは小さくしぼんだり膨らんだりしてる

どうやらうちの膝の上で眠ることにしたようだ

うちは動く自由を奪われてしまった




にゃーっにゃあーっ‼︎


「なになに、けんかー?」


窓辺では仔猫と仔猫のけんかが始まっていた

今日は天気がいいからみんな窓辺で寝るのだろうか、日向のいいとこ取りのけんかと見た

親猫は知らん顔して夢の中

眺めることしかできない

猫のけんかの仲裁なんかできはしない

くすりと笑って親猫の背中を指先で撫でた


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