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黒の青空

第6章 4

学校の1日が終わった

今日は掃除なし

早く帰るという選択以外ない


「あ、川上ぃー」


教室を出ようとしたところを力に呼び止められた


「ん?」
「これからお前ん家行ってええ?」
「は⁈」


無理やって…


「今日はあかん」
「今日はって…今日もの間違いやろ。お前最近付き合い悪いぞ」
「じゅ、受験終わったら…な?」


受験が終わっても無理やねんけど…


「…」
「…り、力…?」
「…いや、悪いな」
「うん」
「頑張れよ」


ぽんっと俺の肩を叩いて力は帰っていった

力の目は何かを見ようとしてる目やった

あいつ鋭いとこがあるから怖い


「川上っ」
「うおっ…」


力に気を取られて後ろにいた内谷の存在に気づいてなかった


「今日買い物頼まれてるんやけどさ、川上ん家の近くのスーパーが今特売やねん」
「へー」
「で、1人1個ってねゆー決まりでな」
「うん」
「……………………………」
「……………………………」


……あ!

…と、思った時には遅かった

顔に出ていたらしく、内谷は嬉しそうな笑顔


「さすが察しが早いな!よろしく!」
「冗談じゃねーよ!何で内谷の買い物に付き合わなあかんねん」
「私も拒否ってんけどお母さんが川上くんについて行ってもらえばええやんって、お金も貰ってもたしほら、広告も」


内谷はスーパーの広告を鞄から取り出して広げる

んなもん教室で広げるな

もう主婦になってもとうやん…

てか内谷のお母さんが?

何で親子揃って俺を使うねん!!


「今日は鞄重いから嫌や〜」
「置き勉して帰れ!」
「俺真面目やも〜ん〜」
「黙れあほ!」

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