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黒の青空

第6章 4

「さっっっっっみ!!」


内谷との奮闘の末

俺は完全強制でスーパーに行くことになった

それはそれは不利で可哀想な負けようだった

脅し、暴力、暴言

肉体的ダメージと精神的ダメージ両方をズタボロにされた挙句、寒い中買い物の付き合い


「だから荷物持ちまではさせないし、鞄川上ん家に置いてからでええって条件やん」


それ条件なん?

条件っていうほどのものなん?

何かどーせ買い物付き合わされるねんから何か…何か…


「お前ちょっとはごめんとか言えないわけ?」
「うん」


即答かよ

そう言いたかったが、向かい風が厳しい

寒くてそれ以上口を開かなかった














玄関前に自転車を止めて、家ん中に入った

内谷は外で一瞬だけ待ってもらうことにした

部屋のドアを開けると理緒はベッドで寝ていた


「(またすぐ帰るからなー)」


鞄を置いてすぐ部屋を出た













ガチャッ


「行くぞ」
「…あぁ、うん」


内谷の様子が微妙やった

何か車庫の方を見てる


「どしたん」
「自転車多いなーって思って」
「自転車?」


車庫の方を見ると、今親がいないから車はないとして、車庫の奥に自転車が4台

父さんと母さんのママチャリ2台

父さんの趣味(かどうかわからないけど)の登山用の自転車

それともう一台の自転車

それプラス玄関前には俺の自転車


「…気になることちゃうやん」
「まぁ、そうなんやけどさ、何か…」
「寒いからはよ買い物済ませてお前も帰れよ」
「…うん」


もう一台の自転車

理緒のなんよな…

鑑札の上に黒いテープ貼ってるからバレてないと思うけど

何でこうゆうとこ不思議に思うん…


「あの自転車何なん?」
「何でそんなん気にすんねん」
「いや…」













「理緒思い出したから」

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