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黒の青空

第6章 4

周りが真っ暗になる

真っ暗なのに、目の前に1人の人間がいた

その人だけはっきり見える

てか、こいつ…


「…俺…?」
『その通り』


俺が俺に話しかける

夢に出てきた俺

夢と同じ声

そう言えば今朝も声が聞こえた


「…お前…なんなん…?」
『なんなんって、俺はお前だ』


俺と全く同じだ

でも何かちゃう…


『お前と違うところは俺は関西弁を喋らない』


あぁ、だから違うって思うんか

俺の抱いていた違和感を目の前の俺が解いてくれた


『あと、考え方だな』
「考え方?」
『お前は適当だけど、俺は違うってこと』


何かムカつく…


『さっきの彼女は俺がみせた夢だ』
「俺今寝とん?」
『…さぁ…?』


ニヤリと不敵な笑みを浮かべる俺


『とにかく夢だ。彼女は…おっと、今起きたみたいだな』
「え、え?」


訳が分からない

俺の状態教えてくれないのに理緒の状態は教えるんかよ


『…もし彼女が今みせた夢みたいになったら…どうする?』
「どうするって…」
『考えたことないだろ?』
「………」
『彼女は今寂しがってる。寝ているのは気を紛らわすためだ』
「理緒が?」
『あぁ、何か寂しがってる。早く会って甘えたいとさ。……お前、夢で俺に黙れって言ったよな?俺は黙ったりしないよ?とことん現れて話しかけるよ』


それだけ言って、俺は消えた


「…あ」


周りは見慣れた光景

…自転車を止めてから動いてなかったんや…


「勘弁…」


俺は家に入った

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