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特別刑務所(仮)

第9章 買物。

「ねー、九条。みんな九条を怖がるけど何かしたの?」
「・・・さー。」

絶対何かあっただろうと思うような九条の顔。
まるでいたずらっ子がいたずらに成功したような、そんな顔を見せる。

「ふぁーいい匂い。」
「買うか?」
「ん!食べる!」

九条は頭に手をのせる。
正直、初めてあったあの日にはこんな九条は想像できない。
あの時は少し怖そうで何考えてるかよくわからなくて、駒場に当たった瀬川を羨ましく思っていた。ま、今もだけど。ただ、ほんの数日だけど・・・
時々見せる優しさとか、そういうのにふとした時九条でも良かったかもなんて思ったりもしたり、しなかったり。

「はい。熱いから気を付けろよ。」
「うん。あっ・・・・・・おいひっ。」
「よかったな。」

でも。
俺は九条のこと何も知らない。
時々見せる優しさ、普段の冷たい感じ。そして・・・

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