テキストサイズ

特別刑務所(仮)

第19章 駒場。

家を捨て家族に捨てられ、俺の意思でたどり着いたそこは、人を人とも思わぬ戦場。
毎日、人が死ぬ・・・
昨日親しげに話した仲間が翌日目も当てられぬ成り果ての姿となり道に転がるのを何度体験したことか。
俺は医者で、人を助ける人間で、でも父のやり方は許せなくて、そんな悪を根絶させるために若い子達を更正させる刑務官になろうとしたのに・・・・・・
こんな現実を望んだ訳じゃないのに・・・

たが、そんな俺が心保っていられたのはこんな荒んだ場所で唯一友と呼べるものが出来たからだろう。
そいつは、初日から先輩刑務官に反抗し、戦いの最前へ送り込まれあげく仕事にも関わらず子供と言うだけで殺すべき相手を逃がした。

腕はいい。
殺し方が綺麗だ。無駄がない。他の常軌を異したやつらはバラバラにしてみたり、食人をしたりと壊れていくなかで、こいつのやり方は心臓を一発撃ち抜くやりかただった。

興味が出た。
頭が切れ、腕がたち、状況に応じ戦略をたて先輩刑務官に物怖じもせず自分の意思を持つ彼に・・・
自分と真逆の性格の彼に・・・
必然的に惹かれていった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ