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特別刑務所(仮)

第22章 瀬川。

「んー、そーねー、話しても良いけど。」
「けど?」
「面白くないよ?」
「ん。別に面白さとか求めてない。」


そう言うとベンチに腰掛け話し始めた。

18年前俺はこの世に生まれた。
生まれたその日たった数分の違いで俺は兄になった日でもあった。
一卵性の弟、顔も体格もさしあたってそんなに違いはなかった。
だけど、それは5歳を過ぎる頃になると変わっていった。


「まー、朔ちゃんは優秀ですこと。教え概がありますわ。
・・・それに比べて。希沙ちゃんはお兄ちゃんなのにこんなことも分からないんですの?」

弁護士の両親のもとに生まれ幼い頃から勉強の日々。
家庭教師が毎日のように来る。
有名私立にいれるため、毎日、毎日。
弟は要領がよく、勉強もスムーズ。
一方の俺は何度か反復しないとなかなか覚えられない。
それでも必死に頑張った。
でも、両親はそんな俺よりなんでも上手くこなす弟を評価した。

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