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特別刑務所(仮)

第25章 永日

俺はここに入ったときに預けたものを受け取り久しぶりに塀の外に出た。

「お世話になりました。」
「ああ。体に気を付けろよ。」
「はい。」

俺は門の前で刑務官に挨拶をし外の空気をめいいっぱい吸い込む。

「んー!やっぱり者場の空気はうまいな!」
「中の空気もここの空気も一緒だろ?」

懐かしい声が後ろから聞こえる。
その声の方に振り替えると九条がたっていた。

「九条?本物?」
「おいで。本物かどうか触ればわかるだろ?」

俺は勢いよく九条に飛びかかる。
久しぶりの九条の匂い、九条の体温・・・

「本物だ。」
「おかえり」
「ん。ただいま。」

九条は俺を抱き締めながら家に帰ろうかと言う。
その言葉にばっと、顔をあげる。

「家?そういえば今はどこにすんでるの?」
「ん?内緒。ついてからの楽しみ。」

九条はいたずらに笑い俺に手を差し出す。
その手を握り二人で歩き出した。

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