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特別刑務所(仮)

第37章 記憶喪失

誰?と聞かれた瞬間頭を鈍器で殴られた気がした。
重たい体を引きずり目指したのは駒場のいる部屋。


「駒・・・」
「九条さん?あ、今和は診察中でって・・・えっ、ちょ、何があったんですか?え?え?るーちゃん絡み?」



俺はいつのまにか涙を流していたようで焦る瀬川に瑠衣が目を覚ましたことと、記憶喪失になったことを伝えた。



「記憶・・喪失・・・
しょ、ショック療法とか、なんか、そんなんで思い出すかも!」
「うん。ただ、何で忘れられたんだろうって・・・そんな簡単に消えるのかなってそう考えたら体が重くなって・・・」


俺は何を瀬川にすがっているのだろう。
こんなことを言うためにここににた訳じゃないのに
でも、言葉が止まらない・・・


「瑠衣にとって俺はその程度なのかな。
どうでもいい存在・・・」
「九条さんらしくないです!るーちゃんが九条さんを忘れたのは忘れたくなかったからですよ!思いが強いから抜けたみたいな!て言うか、俺の事だって忘れてるかもしれないし、だから、だから」


だから、攻めるなってか?

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