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特別刑務所(仮)

第8章 狩野。

「・・・落とした・・・」

そう呟くと地べたに這いつくばりなにかを探す素振りを見せた。

「おい、がき!この辺にこんくらいの綺麗な石落ちてないか?」

男は指で大きさを表し訪ねてきた。

「綺麗な石?」
「ああ。キラキラしてるんだ。」

そういわれ辺りを見渡す。しかしそれらしいものは何処にもない。

「この排水溝に落ちたのか・・・もう絶対みつからねー。」

肩を落とし諦めに満ちた声で呟く。そしてこちらを睨み付けた。

「おい小僧。俺が今探していたのはな最低落札価格でも数億は下らないと言われた青色に輝くダイヤだったんだぞ!責任とれ!」
「せ、責任?」

男は口を開け落っことしたままだったスーツケースの蓋を閉めながら続ける。

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