ミルクチョコレート
第3章 正しい鏡の使い方
エレベーターに乗り込むと、
「桐沢」
彼は私の名前を呼び、腰を抱き寄せて
そのまま唇を押し当てた。
(わ…私、先輩とキスしてる…)
そんなのんきなことを考えていると
二度目に重なった唇はより深く、私のそれを割り行って、舌で口内を探った。
「ん…っふぁ」
(なんか、大人のキス)
私は彼のシャツにしがみついた。
「ふっ、続きは部屋で、だな」
「はい…」
(早く、先輩がほしい…)
そんな自分の卑猥な考えに少しだけ焦った。
部屋に入りドアを閉めるなり、彼は壁に手をつき、私を閉じ込めた。
再び絡み合う唇。
(先輩も、私を求めてる
私のこと、欲しがってくれてる…)
夢中になって彼の首に腕を回せば
彼はそのままお姫様だっこの要領で抱え上げた。
「先輩…?」
「行くぞ」
彼はチュッと私に小さくキスを落として、
そのまま部屋の奥へと進んだ。