メビウス~無限∞回路
第3章 迷走する魂
「畏(かしこ)しや打(う)ち靡(なび)く天(あめ)の限(かぎ)り尊(たふと)きろかも打(う)ち続(つづ)をく地(つち)の極(きは)み萬(よろづ)の物(もの)を生(う)み出(いで)て統(す)べ治(をさ)め給(たま)ふ大神(おほかみ)世(よ)の限(かぎ)り有(あ)りの尽尽(ことごと)落(お)つる事無(ことな)く漏(も)るる事無(ことな)く命(みこと)を分(わ)かち霊(みたま)を通(かよ)はし稜威(みいづ)輝(かがや)き給(たま)ふ神(かみ)の御名―――」
ああ、なんだろう。
おまじないの言葉が、僕の足元から何かを切り離していく。甘い匂いが広がりだして懐かしいお母さんが作ってくれていたホットケーキの匂いがした。
「名前、なんていうんだ?」
「真崎太一!お兄ちゃん達ありがとう…」
僕に声をかけてくれて。
僕に触れてくれて。
僕のこと守ってくれて。
天国のヒーローの意味は、まだよく分からなかったけど。
僕はお家にやっと帰れるんだと思った。
光が、薄く空へ伸びて僕を引っ張ってくれた。
完
ああ、なんだろう。
おまじないの言葉が、僕の足元から何かを切り離していく。甘い匂いが広がりだして懐かしいお母さんが作ってくれていたホットケーキの匂いがした。
「名前、なんていうんだ?」
「真崎太一!お兄ちゃん達ありがとう…」
僕に声をかけてくれて。
僕に触れてくれて。
僕のこと守ってくれて。
天国のヒーローの意味は、まだよく分からなかったけど。
僕はお家にやっと帰れるんだと思った。
光が、薄く空へ伸びて僕を引っ張ってくれた。
完