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メビウス~無限∞回路

第1章 あいするということ。

 神楽が薄くため息をつく。

「29歳になるんだぞっ!」

 この見た目とこの性格でどうやって年上と分かる。童顔で変声期さえ迎えてないような高い声。
 一見すると女の子にさえ間違えてしまえるその髪の長さで。そう尊は神楽よりも9つも上だった。

「安心なさい。間違っても分かりません」

 神楽は尊の項に唇を寄せる。

「やめぃ!」

 尊のグーパンチが飛んでくるのをわざわざすれすれにかわすと立ち上がり、尊を抱き上げた。

「貴方の補充は寝台の上でしましょうね」

 ぼそぼそと低いテノールで囁く。瞬間意味を理解した尊が暴れた。

「そんな真似しなくても力の補充は出来るだろうっ!!俺は死んでも嫌だーーーーーっ!!」

 あはははは!と軽快な笑い声を残してお持ち帰りする神楽の姿があった。










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