テキストサイズ

私は官能小説作家の素材

第3章 再び

それから数日が立って、あの〆切の日がやってきたのだが、



「こない…」

と、呟くことしかできなかった。


「神屋さん、お疲れ様。もしかして、松山先生?」


そう、話してきたのは先輩の麻野美緒。いつも、一本の三つ編みを縛ってきていて可愛らしい先輩。性格も良くて非の打ち所がない女性である。



「そうなんです…。もうすぐ8時になっちゃうんですけど…」

本当は、私のところに6時に原稿が届くはずなのだが、やはり遅刻魔のようである。


「松山先生のとこ行ってみたら?怒鳴ってきなよ!」

ニコっと笑っている割に怖いこと言っている先輩。麻野先輩のいいとこでもある。



「わかりましたよぉ……」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ