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私は官能小説作家の素材

第5章 本心

「え、なんでですか?」

ふふっと麻野先輩はにこやかに微笑む。

「…今日は、月に一度来なきゃいけない日よ?もー神屋さんー!」

「…あっ!」


そういえば…本当はここで一回会っていたのを思い出した。でも…髪の毛はぼっさぼさだったし、深く帽子をかぶっていて…全く一緒には思えなかった。
あのときは…若干チラっとこちらをずっと見られているような気がしていて、私が見ると彼は必ず目をそらす人だった。

…ん?同一人物じゃないかも…?


なんか…凄くスッキリしない。



「あ、噂をすれば…来たよ?」


麻野先輩に言われた瞬間、心臓が一気に凝縮した気がする。


息がしづらい。これは、焦って走ってきたあとだからなのか…。

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