テキストサイズ

妖魔滅伝・団右衛門!

第6章 妖魔滅伝・嘉明!

 
 しかし捕まった人間があまりに多すぎて、八千代を見つける事は出来なかった。

(というかこいつら……後で糸解いて助けてやらなきゃいけないのはオレなんだよな。うわあ、面倒臭ぇ)

 団右衛門に、負けるなどという選択肢は初めからない。戦後処理に今から頭を抱えながら、禍々しい気配の元へ走った。







 蜘蛛の糸に動きを取られ、確実に動ける者が減っていく。大蜘蛛以上に厄介な小蜘蛛は、斬ってもきりがない。

「……増えているだけではない。復活しているな」

 嘉明は苛立ちに顔を歪めながら、刀より間合いのある槍へと持ち替え足元の蜘蛛を薙ぎ払う。だが蜘蛛が動きを止めるのは一時的なもの。一度ひっくり返ったはずの蜘蛛がまた起き上がるのを、嘉明は見逃していなかった。

(真に妖魔を根滅出来るのは退魔師のみ、という事か。大蜘蛛を叩いたら、復活する前に団と合流しなければならないな)

 蜘蛛の吐き出す糸を槍の穂先でいなしながら、立ちはだかる大蜘蛛に挑む。が、親玉だけあって防御は固い。八つの足に阻まれ、刃は通せなかった。

「嘉明様、お下がりください! ここは我々が!」
 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ