妖魔滅伝・団右衛門!
第7章 さすらい団右衛門
心と体が切り離され、嘉明の矜持は粉々に砕かれる。人とはかけ離れた赤い体躯に縋る腕。口吸いで混じり合う二つの唾を、極上の味として飲み込む喉。正気を失い蕩けた瞳に映るのは、二本の角。嘉明を犯す剛直は、体が覚えるものと違っていた。
「あっ、ああっ! もっと、奥まで……!」
意志に反して、口から出るのは甘く強請る言葉。より感じる箇所に当たるよう、腰も淫らに動く。嘉明を組み敷き犯し続ける妖魔――八代は、自らにおもねる嘉明の体を抱き寄せた。
「儂の子種が、欲しいか」
「欲しい……私の中に、残らず注いでほしい」
「鬼の子を孕んでも、欲しいと思うか?」
「孕む……?」
「子種とは子を成すためのものだ。奥に植えれば、いずれ子を孕むのは自然な事よ」
「……いい。孕んでもいい。いくらでも生むから、早く!」
嘉明の奥に、一段と深く八代の逸物が刺さる。絶頂に至り白濁が放たれたその時、嘉明の奥にも八代の精が放たれた。
「あっ、い……やぁ」
「淫らで美しく、強い子が生まれるな。さあ、愛しき我が妻よ。確実に種が根付くよう、もっと種を植えよう」