妖魔滅伝・団右衛門!
第8章 八千代の想い
嘉明は、八代にそんな力がないとは知らぬまま、勃起する鬼の逸物に戦慄する。妄言も、嘉明を絶望に追い詰めるには役立っていた。
有り得ない未来を語りながらも止まらない愛撫に、毒された嘉明の体は淫夢に沈んでいく。もっと激しい愉悦が欲しい、脳天を突き刺す絶頂が欲しいと叫んでいた。
「ゃ、あ……団、団っ……!!」
だが、嘉明に触れる手の温もりが違う。我が儘なようで、嘉明を労る事を忘れない愛し方ではない。嘉明自身は勃ち上がり快楽の涙を零すが、八代に体を委ねても渇望は満たされない。それでも強制的に高ぶる体に、嘉明は思わず脳裏に刻まれた男の名を呼んだ。
「あぐっ!?」
だがそれは、八代にとって最大の屈辱。記憶を塗り潰すように、八代は正面から嘉明に自身を突き刺した。
「この時から嘉明を爪の先まで満たすのは、儂のみよ……あのような不遜な男の味など、すぐに忘れてしまえ!」
乱暴に振りたくる腰が嘉明の尻に当たるたび、鈍い肌の音が鳴る。八代はそれでも首を振り拒む嘉明の頬を掴むと、性急に絶頂を求めた。
「しかと見よ、感じよ、焼き付けろ! 今瞳に映る儂こそが、嘉明を支配する者だ!!」