妖魔滅伝・団右衛門!
第8章 八千代の想い
「――っ、ぁ、はあっ……」
嘉明の中で剛直が震え、白濁が奥に飛び出す。人の体を食らい鬼に変える精は、何回にも分けて、溢れるほどに植え付けられる。食い破る熱に嘉明は眉をひそめ、熱い吐息を吐きながら耐えていた。
「……達していないな」
長い間を経て、ようやく手に入れた嘉明。しかし種を植えてもなお、嘉明自身は達していない。毒に犯され過敏になったはずだというのに、不感でもないにも関わらず、嘉明は満たされていなかった。
それが極上の餌である事は、もはや問題ではない。嘉明をここまで淫らにした影が、八代は憎らしかった。
「ならば、達するまで何度も犯してやろう。儂以外を感じられなくなるように!」
八代は嘉明をひっくり返し、うつ伏せにしてより深く自身を突き刺す。だがこの時既に、嘉明には変化が起きていた。
「ぁ――うっ、んんっ!!」
八代は嘉明の声を色よい喘ぎと思い、小さく震えるのも快楽だと思い込んでいた。しかしそれは苦痛の呻きであり、震えは寒気が起こすものだったのだ。
注がれた白濁は、中の壁から体内に食らいつき心臓へ進もうとする。普通ならば絶頂が痛みを覆い隠すのだが、達する事の出来ない体は苦痛だけを伝えていた。