硝子の挿話
第8章 理由
それはまだ幼かった頃。とても行動的なティアに引っ張られ、海へと行った時。
初めてその奇跡を目の当たりした。
イルカは海神の使い。その背に乗れるのは、海王だけだと神話では習った。
大きな声でイルカを呼んだと思ったら、ひょいひょいと背中に乗り海を駆け巡る姿。まるで海がティアを守っているみたいにサイティアには見えた。
空から注ぐ光に輝く海をとても楽しそうに、イルカ達の群れと戯れていた姿。
瞼に焼きつく、愛しい記憶をサイティアは思った。
「イルカの背中に?抱きついていただけでも驚きだったのに?」
ひとつ頷くことを返事とする。苦笑したサイティアは遠くを見ながら、話を語り始めた。
初めてその奇跡を目の当たりした。
イルカは海神の使い。その背に乗れるのは、海王だけだと神話では習った。
大きな声でイルカを呼んだと思ったら、ひょいひょいと背中に乗り海を駆け巡る姿。まるで海がティアを守っているみたいにサイティアには見えた。
空から注ぐ光に輝く海をとても楽しそうに、イルカ達の群れと戯れていた姿。
瞼に焼きつく、愛しい記憶をサイティアは思った。
「イルカの背中に?抱きついていただけでも驚きだったのに?」
ひとつ頷くことを返事とする。苦笑したサイティアは遠くを見ながら、話を語り始めた。