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硝子の挿話

第28章 埋没した色彩

「ユイナはお前の母に懸想していてな…薬を仕込んで抱き、見事、お前を宿したんだよ」

ゆっくりと楽しそうに言いながら笑う。ハクレイは言葉の意味さえ分からなくて、うつ向いて視線を反らすユイナを呆然と見るだけだ。

「お前の父親は生きていると教えてやろうと思ったのだ。わしはお前から全てを奪った訳ではないことを知らせたかったのだよ」

くくくっと喉を鳴らして笑うメイスに、ハクレイはただ呆然とするしかなかった。
それが事実だとしたら―――。
ハクレイは否定の言葉をユイナに期待し、腕を掴んで無理やり視線を合わせて問うた。

「そんなこと嘘でしょう!?ユイナさまっ!!」

ユイナはさらに強く視線を反らした。

「アイルは知っていた。妻が親友に奪われていた事実をな…隠していたようだがお前の兄が最後の子だったのさ。アイルは病を得ていた為に…子種は無かったのだ」

そう言いながら一枚の書類をハクレイの足元に投げて寄越す。震える体は無意識に見たくない気持ちを凌駕し、それを手にしてしまっていた。

「そんなの嘘だ…っ!」

ハクレイとユアは二ヶ月しか生まれが変わらない。しかもハクレイが上なのだ。それが真実なのだとしたら―――ハクレイは呼吸さえ凍りつく。身体の震えは止まらなかった。


手直しするだけのつもりだったんですけど、多少加筆修正を加えてまるで違う夕闇の姿になりました。補足としてひとつ、別段アトランティスの設定では母親が違うのであれば禁断ではないんですけどね。ハクレイの不幸物語といえなくもないか…本格始動しました。こちらでは15禁というよりもいっそ気分は18禁でお願いしたく存じます;もともとの話がエロエロえっささな感じだったんで、修正の限度は厳しい;此処までお読み下さりありがとうございました!感想もよければ寄越してみてくださいw本人、めちゃくちゃ喜びますww
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