硝子の挿話
第11章 予感
「だったらそのまま、俺の泊まっている宿にくればいい」
「え?」
「だから、俺が、泊まっている宿へ、今から、来れば、いい…って言ったんだ」
聞き間違えないように、一言一言で区切り、ゆっくりと話すユウリヤ。
「ええぇえええぇぇえぇ!?」
何を想像したのか、首筋までを真っ赤にして恥かしがっているティアの頭を撫でた。
「着替えなら近くで買って、宿の風呂に入れってことだ、ぞ」
昨日を思い出して、ユウリヤの顔も僅かばかり赤くなる。それを気取られるのは、許せないと顔を背けて言った。
「ユウリヤが泊まる宿…に…」
どうやらユウリヤが想像してたことでの赤面ではなかったらしい。年頃の少女そのもので、両頬に手を添えて小さな笑みを見せていた。
とても幸せそうに。
見ている方が微笑ましくなるティアの姿に、ユウリヤは深く愛情が傾いている自分を知る。
「その内、室をひとつ買うさ」
戸籍を買い取らなければならない面倒と、太陽宮に存在する籍を移動させる面倒とあるが、両親に相談をするしかない。
覚悟を決めて出た朝から、手紙を一方的に送るだけだった。
けれど居住まいが確定すれば、手紙を受け取ることも出来る。旅人が手紙を受け取る手段がない訳ではないが、神殿に宿登録がいる。
おまけに許諾が得られるまでに、最低でも二月という長さだ。それ故に神殿に宿登録をするのは、半分ばかり身を埋め込むつもりの旅人ばかりだ。
「え?」
「だから、俺が、泊まっている宿へ、今から、来れば、いい…って言ったんだ」
聞き間違えないように、一言一言で区切り、ゆっくりと話すユウリヤ。
「ええぇえええぇぇえぇ!?」
何を想像したのか、首筋までを真っ赤にして恥かしがっているティアの頭を撫でた。
「着替えなら近くで買って、宿の風呂に入れってことだ、ぞ」
昨日を思い出して、ユウリヤの顔も僅かばかり赤くなる。それを気取られるのは、許せないと顔を背けて言った。
「ユウリヤが泊まる宿…に…」
どうやらユウリヤが想像してたことでの赤面ではなかったらしい。年頃の少女そのもので、両頬に手を添えて小さな笑みを見せていた。
とても幸せそうに。
見ている方が微笑ましくなるティアの姿に、ユウリヤは深く愛情が傾いている自分を知る。
「その内、室をひとつ買うさ」
戸籍を買い取らなければならない面倒と、太陽宮に存在する籍を移動させる面倒とあるが、両親に相談をするしかない。
覚悟を決めて出た朝から、手紙を一方的に送るだけだった。
けれど居住まいが確定すれば、手紙を受け取ることも出来る。旅人が手紙を受け取る手段がない訳ではないが、神殿に宿登録がいる。
おまけに許諾が得られるまでに、最低でも二月という長さだ。それ故に神殿に宿登録をするのは、半分ばかり身を埋め込むつもりの旅人ばかりだ。