硝子の挿話
第13章 約束
手を繋いで街に戻ると、昼食時の喧騒は静まっていた。
小石を平らに固めた道を歩きながら、祠堂へ向かう途中である。道々にある小物店やら装束品などに興味を惹かれているのか、ティアは田舎から都会へと出てきた娘のように、物珍しげに周囲を見ていた。
「何か欲しいものがあるのか?」
「いえ…ただ、とても興味深くて…」
「興味?」
「はい、木の実で出来た首飾り」
視察に寄る時には、こんなにまじまじと見ることはない。ひとつひとつを手に取り、嬉々とした表情で掌に乗せて眺めている姿。
「買おうか…?」
そんなに気に入ったのなら、と問いかけると慌てて首を左右に振って首飾りをその場に置いた。
「そんなつもりないですっ」
「気に入ったのだろ?」
「あ…!」
手にとって店に入る。販売をしていた中年の男は、ティアを見てにこにこと笑い『お似合いだ』と誉める。
「ありがとうございます…」
真っ赤になっている。店員が包もうとしたのを、ユウリヤは止めて金を払い終えると、首飾りをティアにかけた。
小石を平らに固めた道を歩きながら、祠堂へ向かう途中である。道々にある小物店やら装束品などに興味を惹かれているのか、ティアは田舎から都会へと出てきた娘のように、物珍しげに周囲を見ていた。
「何か欲しいものがあるのか?」
「いえ…ただ、とても興味深くて…」
「興味?」
「はい、木の実で出来た首飾り」
視察に寄る時には、こんなにまじまじと見ることはない。ひとつひとつを手に取り、嬉々とした表情で掌に乗せて眺めている姿。
「買おうか…?」
そんなに気に入ったのなら、と問いかけると慌てて首を左右に振って首飾りをその場に置いた。
「そんなつもりないですっ」
「気に入ったのだろ?」
「あ…!」
手にとって店に入る。販売をしていた中年の男は、ティアを見てにこにこと笑い『お似合いだ』と誉める。
「ありがとうございます…」
真っ赤になっている。店員が包もうとしたのを、ユウリヤは止めて金を払い終えると、首飾りをティアにかけた。