硝子の挿話
第13章 約束
唐突の質問に、一瞬きょとんとしたものの、聞かれている内容に笑みを浮かべて答えた。
「私ですか?今年4歳になります」
年齢を加算するのは星祭当日。神子は人として年齢は重ねない。四年で一つと数える決まりがある。他に司祭は七年に一つ、年を加算する仕組みだ。その周期はいつ頃から、始まったかは定かではない。その二つとは逆に、神官は神に仕えたとされる初出仕の日から、年を数えることはなかった。
「ってことは16歳か…」
「そんなことを聞くな、まったく…重ね重ね失礼しました」
「いえ、別に困ることはありませんし……けれど、年齢を聞くのは、私が頼りなく見えるせいですか?」
小首を傾げて聞くと、口を開こうとしたトーボイの口元を覆い隠す。首を左右に振り、サイバスから離れて苦笑した。
「そうでしたら、…」
「違うって!」
言いかけたティアを遮って、トーボイはティアを覗き込んだ。
「なんていうか、姫神子さん年齢の割には、落ち着きすぎているんだ………肩、凝らないか?」
直感で言ったのは分かる。けれどティアは、その一言にどきりとした。
「…分かる方は分かってしまうのですね」
苦笑してしまう。自分を心配してくれる相手なら、違いを見抜かれてしまうことも多々あった。
根本的に自分は、隠すのが下手なだけだろうか。ティアの思考が下に沈みかけたのを止めたのはサイバスだ。
「これからは全てを、自分で抱えこまなくて良いでしょう…息抜きに立ち寄られるなら、トーボイがこちらでは護衛をします。正式に騎士となれる資格はないですが、腕は確かですから」
「私ですか?今年4歳になります」
年齢を加算するのは星祭当日。神子は人として年齢は重ねない。四年で一つと数える決まりがある。他に司祭は七年に一つ、年を加算する仕組みだ。その周期はいつ頃から、始まったかは定かではない。その二つとは逆に、神官は神に仕えたとされる初出仕の日から、年を数えることはなかった。
「ってことは16歳か…」
「そんなことを聞くな、まったく…重ね重ね失礼しました」
「いえ、別に困ることはありませんし……けれど、年齢を聞くのは、私が頼りなく見えるせいですか?」
小首を傾げて聞くと、口を開こうとしたトーボイの口元を覆い隠す。首を左右に振り、サイバスから離れて苦笑した。
「そうでしたら、…」
「違うって!」
言いかけたティアを遮って、トーボイはティアを覗き込んだ。
「なんていうか、姫神子さん年齢の割には、落ち着きすぎているんだ………肩、凝らないか?」
直感で言ったのは分かる。けれどティアは、その一言にどきりとした。
「…分かる方は分かってしまうのですね」
苦笑してしまう。自分を心配してくれる相手なら、違いを見抜かれてしまうことも多々あった。
根本的に自分は、隠すのが下手なだけだろうか。ティアの思考が下に沈みかけたのを止めたのはサイバスだ。
「これからは全てを、自分で抱えこまなくて良いでしょう…息抜きに立ち寄られるなら、トーボイがこちらでは護衛をします。正式に騎士となれる資格はないですが、腕は確かですから」