硝子の挿話
第15章 暗夜
改革を含んだ人員移動、身分剥奪の罪状に奔放する日々。星祭当日までに、ある程度纏めてしまいたいと、サイティアに伝言を頼んだティアは、日々忙しく過ごしていた。
だが星祭を二日後に控えた朝。水平線までタルマーノに連れて来てもらった。
「変じゃないですか?」
水平線を指しながら、確かめるように振り返る。タルマーノは見ても解らないのか、曖昧な返事を返したが、ティアは心音が軋む音しか聞こえていなかった。
あの後も軽く、何度か地下から突き上げるような地の震えに見舞われ、水耀宮をはじめ各宮中においても少しづつ混乱が始まっていた。
「星祭まで後二日…嫌な感じが拭えないです…」
改革は少しずつ形になろうとしている矢先だというのに、拳を胸に固めて呟いた言葉は、風に攫われて消えた。
宮だけではなく街や村までもが動揺し、山崩れや治水などの対応に追われだす。有史から後にこれほど大きく大地が揺れることもなかった筈だ。まだ規模は小さいが、いつかその怒りが天上を焦がすのではないかと囁く声もある。特に水耀宮は地震の無かったと言ってもいい土地柄で、家屋などは太陽宮ほど地震に対応した造りをしていない。
「…タルマーノも近隣の修復に明日は出ますよね?」
「その予定ではあります」
淡々と答える声に、ティアは小さく頷く。今までとはあまりにも違う地の揺れ。人々は強く不安を描いていた。
だが星祭を二日後に控えた朝。水平線までタルマーノに連れて来てもらった。
「変じゃないですか?」
水平線を指しながら、確かめるように振り返る。タルマーノは見ても解らないのか、曖昧な返事を返したが、ティアは心音が軋む音しか聞こえていなかった。
あの後も軽く、何度か地下から突き上げるような地の震えに見舞われ、水耀宮をはじめ各宮中においても少しづつ混乱が始まっていた。
「星祭まで後二日…嫌な感じが拭えないです…」
改革は少しずつ形になろうとしている矢先だというのに、拳を胸に固めて呟いた言葉は、風に攫われて消えた。
宮だけではなく街や村までもが動揺し、山崩れや治水などの対応に追われだす。有史から後にこれほど大きく大地が揺れることもなかった筈だ。まだ規模は小さいが、いつかその怒りが天上を焦がすのではないかと囁く声もある。特に水耀宮は地震の無かったと言ってもいい土地柄で、家屋などは太陽宮ほど地震に対応した造りをしていない。
「…タルマーノも近隣の修復に明日は出ますよね?」
「その予定ではあります」
淡々と答える声に、ティアは小さく頷く。今までとはあまりにも違う地の揺れ。人々は強く不安を描いていた。