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硝子の挿話

第2章 刹那

 不思議な感じ。
 不思議な感触。
 不思議な……。



 止まっていた思考が動き始める瞬間(とき)。
 雨が不意にやみ、一筋の光が地上を照らす幻想が視界を支配した。


 物語は突然に始まる…。


 それは遠い遠い昔に果てたはずの想いが、業火に焼かれず残った残留思念みたいなものなのかも知れない。―――







 死して生まれ変わり、人は人と縁を重ねていく。
 終わった物語が、再び綴り始める。世界にたったひとつの軌跡な出会い。
 廻りあうことを約束された。………恋人達は、コンクリートのジャングルで再びで出会ったのだった。









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