
愛の裏側
第2章 *奪われたハジメテ
*藍side
朝、目を覚ますとそこは見覚えのない家だった。
無理矢理重い体を起こそうとすると、頭と腰に痛みが走る。
「った…」
ここ、どこなの…?
もしかして、誘拐とかだったら…。
「あ。 …やっと起きたし。つかお前寝顔酷すぎ」
「…え?…えっ!?」
そこには、上半身裸の浅桐先輩がいた。
首筋のあたりから滴る水がなんとも色っぽくて、目のやり場に困る。
…って、ここってもしかして、この人の家…?
「わ、私っ…その!失礼しました!」
その辺に落ちていた私のものと思われるコートを拾って、靴を履こうと玄関へ向かう。
