
愛の裏側
第2章 *奪われたハジメテ
と、ぐっと手首を掴まれて抱き締められる。
「その格好で帰んの?」
ふと耳元で囁かれ、自分の格好を見てみる。
ほぼ外れかけたブラと、もう少しで見えそうな位置まで下がったショーツ。
「…や…み、見ないで下さいっ!!」
かあっ、と熱くなっていく顔。
それを面白がって、私の体を舐めるようにジロジロと見る彼。
今の状況を他の人が見たら、きっと誤解するだろう。
「そんな恥ずかしがんなって。もう十分見たから」
「ど、どういう事ですか…っ?」
“もう十分見たから”?
…私がこんな格好っていうこと、
彼がシャワーからあがってきたということ、
彼のベッドで寝ていたこと、
腰が痛むこと。
