
愛の裏側
第2章 *奪われたハジメテ
私の唇にゆっくりと指を滑らせる彼。
どちらからともなく、互いの唇が触れそうになる位までの距離に近付く。
「あーいっ」
「ひゃっ!?な、何?未央…」
「そういう小説読むの珍しいじゃん」
自分の手元には、恋愛小説。
確かに私は、こういうのは基本読まない。
ましてや学校でなんて。
いつもは科学読本とかサスペンスとか、そういうのしか読まない。
「あ!そういえばさ、昨日何かあった?お父さんから電話きたんだよねー、家に」
「え?あ、い、いや何も…」
未央にも電話していたんだ…。
確かに昨日―――…
