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愛の裏側

第2章 *奪われたハジメテ

 


「…ただいま」





バタバタと音を立てて階段を下りて来る父。


私の顔を見るなり、顔をしかめる。





「こんな時間までどこへ行っていたんだ」


「…ごめんなさい」





それだけ言うと、また階段を上って部屋に戻っていった。




私には、母親がいない。


私が小さい頃、他の男のとこに行ったらしい。


記憶は全然ないのだけれど。



最低な母親。




けど、お父さんがいてくれればどうでも良い、今ではそう思っている。


 

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